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Posted by naturum at

2013年05月20日

清蒸鮮魚


二十数年前、金持ちの息子の友達が居り、そいつに新地の高級中華に「タダ券があるからと」誘われ御馳走になったことがあった。おそらくそれが清蒸鮮魚との出会いであったと思う。不確かな記憶ではあるが、メイタガレイのようだったが、淡白な白身の味わいを損ねない、読んで字の如く、清らかな煮汁のうまみに感動し、記憶に焼き付いていた料理である。
以降今日まで、数度は有りついたことが有ったが、プライベートで中華に行っても、つい「時価」表記にたじろいでしまい食す機会はそう多くはなかった。
 去年、夏にアコウを3匹仕留めたとき、こいつを清蒸鮮魚にしたらさぞうまかろう、と思った時から「自分で清蒸鮮魚を作る」という構想が持ち上がった。それから9か月、ついに今日自家製清蒸鮮魚が完成した。
 紆余曲折の9か月。まず、我が家に蒸し器がない。そこからのスタートだった。なるべく大きな魚を丸ごと蒸すための試行錯誤がはじまった。蒸し器に関する知識が概ねゼロの僕は、30cmの魚を丸ごと蒸すと言う事がかなり困難なことだと言う事を初めて知ることになる。30cmの魚を丸ごと入れるためには外径36cmのせいろが必要なこと。そしてそのせいろを蒸す為にはさらに一回り大きな鍋が必要になってくる。しかももう一つの大きな障壁は、うちがオール電化のため必然的に火元がIHであると言う事。最初は大きな中華鍋があれば事足りると思っていたが、中華鍋というものは底が丸いのが最大の特徴であってある程度の接地面が必要なIHにとって最も相性の悪いものなのである。と言う事で材質の伝導性に関しては申し分のない中華鍋ではあるが構造的には不可能と言う事に。そこで、探しに探して見つけたのが口径38㎝、底面直径26㎝のステンレス鍋。苦労した。
で、このような具合に蒸し器が整った。



〆て¥33,694!
何回食いに行けたか(-_-)!

そのように準備をしているうちに、さる事情により、今年に入ってから釣行がままならなくなる。
当ブログが止まっているのも、投稿を怠っていたわけではなく、実際に1月の三邦丸を最後に一度も竿を出していないのである。
そんなわけで、せっかくあつらえた蒸し器も、釣行再開のめどが立たないなか、モチベーションも下がりしばらくプロジェクト自体が休止状態となっていた。
しかし、よく考えてみれば、魚は魚屋に行けばあるわけで、しかもいざ、アコウが釣れた、という日が来た時に予行演習をしておかなければせっかくの高級魚を台無しにしてしまわないとも限らない。
やっと、そんなことに気が付いた。全くアホである。

そこで本日魚屋に行ってみた。もちろんアコウが並んでいるとは期待していないし、かりにあったとしても、おそらくサイフが許さないだろう、と思ってみているとちょうどいいメバルちゃんが注文通りに居られた。約28㎝というところか。なかなかボリューム感のある良い魚。1匹¥880とお安くなかったが2匹購入。

【ここからは清蒸鮮魚の作り方編】

①まず、鱗と内臓を除いたメバルに背びれの両方のすぐ外側と、体側部に包丁で切り込みを入れる。
そして軽く塩を揉み込む。ごく軽くで良い。
さらに、紹興酒を適当にかけ、よく揉み込む。

②白ネギを、白髪ネギに必要な部分だけ取り除き、5㎝ほどに切りそろえたものをバットにある程度の間隔をあけて並べる。ネギの周囲に短冊状に切った土しょうがを数片ちりばめる。
その上に①で処理したメバルを枕木の上に船を置くみたいに載せ、魚の上にもネギと土しょうがを適当にちりばめる。これをせいろにいれて沸騰させた鍋の上に置き、蒸す。



これで蒸すこと20分。
その間にすることが2つある。

③調味料の調合(出汁100ccに対して)。
醤油  大匙2
紹興酒 大匙1
砂糖  小匙1
胡椒  少々
(あとで出汁とあわせる)

④仕上げにかける油の調合(出汁100ccに対して)。
サラダ油 小匙1強(5g)
ごま油  小匙1強(5g)

なるべく小さな鍋(本当に小さいのを入手しておく)に入れておく。

さて、20分経過。鍋の火を止めせいろの蓋を取る。
ご覧のように蒸しあがった。



ここからは魚が冷めないうちに手際よくやる。

⑤まず、魚だけを身が崩れないように細心の注意を払って皿に移す。
そして、バットに溜まっている出汁を計量カップに取る。
ネギとしょうがは出汁を絞り切って捨てる(食べるという方も居られる)。

⑥かけ汁を作る
煮汁を鍋に移してそこに③で作った調味料を加えひと煮立ちする。
今回のケースでは150cc出汁が取れた。それに見合った分調味料を入れる。
調味料は大目に作っておいて目分量で加えるか、③での分量にあわせるなら出汁を丁度100ccのみ利用するかどちらかだ。

⑦油の加温
かけ汁を作ると同時に④で合わせておいた仕上げ用の油を加温する。鍋から煙が上がりだすくらいは加温しなければならない(200℃ほどは必要とのこと)。

⑧仕上げ
皿に載った魚にまず⑥を回しがけする。
その次に、20分ほど水にさらしたのちに、よく水気をとった白髪ねぎを盛り付ける。
次に盛り付けた白髪ねぎの上から加温した油をまんべんにかける。
(バチバチという音と共に何とも言えないいい香りが上がってくる)
そして最後にパクチーを散らす。
(好き嫌いのある香草であるが、僕は絶対必需品と思っている)

出来上がり



うまい!
自画自賛になるが、「金取れるわ」と思ったくらいだった。家族も賞賛してくれた。
僕も「魚は刺身に勝るものなし」と思う人間の一人であるが、「刺身で食べてしまうのはもったいない」と思えるほど、魚のうまみを十二分に引き出せる料理だと思った。
食べ方としてのアドバイス。
直接みをほぐしてそのまま口に運ばず、ほぐした身を深めのさらに移して白髪ねぎとパクチーをのせ、その上にたっぷりと汁をかけて汁とともに食べると誠に旨い。
以下に材料を列記しておきます。

【材料】
アカメバル28cm 2匹
白ネギ 2本
土しょうが 親指大1個
パクチー 適量

【調味料】
紹興酒
醤油
砂糖

胡椒
サラダ油
ごま油
(分量は本文参照)

次回は是非とも自分で仕留めたアコウで作ってみたいものだ。  


Posted by ikazuchi at 01:59Comments(5)料理